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Japanische Klassiker mit Furigana

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つたかずらきそのかけはし

蔦葛木曽棧

国枝 史郎

Lesen Sie 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 335.908 Zeichen · 669 Bildschirme

Aozora Bunko

右門と五右衛門

「お前もそこから出ておいで!」

「云うにゃ及ぶ、さあ一緒に!」

しかるにこの時、人の足音が、忽然として聞こえて来たので、男女の問答ははたと絶えた。

足音は次第に近寄って来る。孕石と力柱に挟まれた、境内の小径を悠然と通り過ぎようとする武士の姿が、星影に照らされて黒く見える。編笠をかむり両刀を佩き、武者修行らしい様子である。

ツ、ツ、ツ、と侍は、いかにも旅なれた足つきで、先へ歩いて行くのである。

右門と五右衛門

すると、この時、反対の径から、浪人姿の侍が、いくらか酒気を帯びながら、武者修行の侍と擦れ違ったが、思う所存があったと見え、自分の太刀の鐺をひねり相手の鞘へハタとあてた。

「待て!」と浪人は大喝した。

「これは失礼致し申した」

武者修行の武士は振り返り、仕掛けられた喧嘩をわざと避け、編笠に手を掛けて詫びるのであった。すると浪人はつけあがり、

「鞘当ていたして置きながら、失礼致したとは何んのことじゃ。いずれ所存があったればこそ鞘当て致したに相違あるまい。さ、その所存を申されい!」

「これは甚だ迷惑千万、鞘当てしたるは拙者ではなく、そう云う貴殿ではござらぬか」