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Japanische Klassiker mit Furigana

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つたかずらきそのかけはし

蔦葛木曽棧

国枝 史郎

Lesen Sie 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 335.908 Zeichen · 669 Bildschirme

Aozora Bunko

手燭の光がポッと射して、間もなく現われた男を見れば六十前後の老人である。

「どこからお出でなされたかな?」

その老人は年にも似ず若々しい言葉付きでまず訊いた。

「私事は旅の者、足弱を伴うておりますが、思わず路を踏み迷いほとほと難渋いたしてござるが、願わくばお館に一夜の宿りを所望いたしたく存じまして、罷り出でましてございます」

「それはさぞお困りでござりましょう。しばらくお待ちなさりませ、主人の承諾を受けましてから、どこへなとご案内いたしましょう」

老人は一旦引っ込んだが、すぐに姿をあらわした。

「さあさあお上りなさりませ。洗足の湯も取らせましょう。猿若猿若湯を持って来いよ」

言葉につれて十二、三の、少年が一人あらわれた。右門と山尾は足を洗い、老人に案内されながら幾間も幾間も打ち通り、奥の座敷へ導かれた。座敷には円座が敷かれてあり、短檠の火がともっている。

「どうぞお寛ぎなさるよう。何はなくても晩食の物、すぐにお備え致しましょう」

老人はそのまま引っ込んだ。

間もなく絹擦れの音がして、美しい腰元が珍味を盛った、器を捧げて現われた。

「何はなくともまず一献、お過ごしなされてくださりませ。