Japanische Klassiker mit Furigana
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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
Lesen Sie 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 335.908 Zeichen · 669 Bildschirme
その時静かに襖が開いて、さっきの老人があらわれた。
「ただ今旅のお侍が、道に迷うて、難渋するゆえ一夜の宿を所望申すと、このように云うて参りました」
「そのお侍は幾人かの?」
「はいお一人でございます」
「幸いお連れもござるゆえ、ここの座敷へ通されるがよい」
「は」と返辞えて老僕は、襖を立てて立ち去ったが、人品骨柄いとも凛々しい、浪人姿の武士を一人案内しつつ帰って来た。
武士は恭しく手をつかえたが、
「行き暮れましたる旅の武士、宿をお願い致したるところ早速御承引くださりまして、有難き儀にござります」
「某こそはこの家の主人、ようこそおいでくだされました。幸い、ご同様道に迷われ、拙宅へ泊まられたお方もござれば、夜一夜お物語り仕まつろう」
右門と山尾は新来の武士にいとも丁重に挨拶をした。
話上手の館の主人は、新来の客へ話しかける。
「お見受け申せばご貴殿も諸国ご修行のお様子でござるが、天晴れ手練の武士達が沢山あることでござりましょうな?」
「いかにもご主人のお言葉通り、広い日本にはあるいは弓馬、または刀槍に秀でし者、あまたあることと存じます」
「してご貴殿はどの方面のご修行をなさるのでござるかな?」