Japanische Klassiker mit Furigana
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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
Lesen Sie 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 335.908 Zeichen · 669 Bildschirme
いと易いことじゃ、何程らでもしよう。鉄棒の刺身はいかがじゃな」
「歯ざわりの悪い、そんなものは私は真っ平でございますよ」
「それでは法蔵寺の墓地を開いて赤児の屍でも引き出して三ばいにして食わせようかい」
「まあ気味の悪い、厭なこと」
小女郎はいそいで手を振った。
「ナニ気味が悪い? これは驚いた。気の弱い人間の云うようなことを我々狐は云うものでない。ええと、それでは赤児も厭か。何をそれでは馳走しようぞ? ……よしよしうまいことを考えた。なんでも明日酒屋の小僧がこの辺を用足しに通った時、うまうまそいつを誑かして酒の一斗も持って来させて、酒宴をしようと思うがどうじゃ」
「ほんとにそれはよい考え。それに決めようではございませんか」
「それでこっちは決まったが、それではいよいよ本筋へはいって今夜の相談をしようかい」
「いくら今夜が闇の夜でも、誰かその辺に立ち聞きでもしてせっかくの工夫を邪魔されては骨折り損でございますゆえ、穢いけれど私の住居でお話しようではございませんか」
公孫樹のお夏がこう云うと、後の二人は頷いた。
それと一緒に見えていた姿が掻き消すように消え去って、銀杏の古木の辺りには暗黒ばかりが蠢いている。