Japanische Klassiker mit Furigana
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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
Lesen Sie 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 335.908 Zeichen · 669 Bildschirme
「何が可笑しいかと仰せられても殿のご前へ出ていながら下帯一筋の赤裸! 無礼とや云わん笑止とや云わん、これを笑わぬ人達こそかえってお咎めを受くべき筈。この玄斎の笑うたのに何んの不思議がござりましょう」
こう云って肩肘を怒らせたのは、頭を青く剃りこぼち袈裟を纏った大入道で、これぞ飛礫の名人として浪人組の中にあっても相当上に立てられる男。しかし酒癖の悪いのと喧嘩早いのとが傷になって、今ではどうやら朋輩からも嫌われている一人であった。
「さては武兵衛の赤裸がそちにはどうやら気に入らぬ様子、一応もっともには聞こえるが、しかし武兵衛の赤裸こそ我らにとっては値打ちなのじゃ。この山国の冬の初め、寒風凛冽と吹く中を単衣さえ纏わぬ勇気あればこそ病魔も恐れて立ち去ったのじゃ。武兵衛における赤裸はその方達における鎧冑、すなわち身を守る道具なのじゃ」
こう訓するように説かれても旋毛の曲った玄斎は納得しようとはしなかった。
「殿には武兵衛がお気に入りゆえさようのことも仰せらるる。せっかくの殿の仰せ故これはこれとしてまず差し置き、どうしても我慢出来ぬことがこの拙者にはござり申す。