Japanische Klassiker mit Furigana
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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
Lesen Sie 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 335.908 Zeichen · 669 Bildschirme
オースチン
お心安くおぼし召せ」
慈愛のこもった優しい声で二人の者へこう云ったのは白髪童顔白衣を纏った神のように気高いオースチン師であった。
「先生、忝けのう存じます。先生のお出でがございませんでしたなら、私は危くこの場において生命を落とすところでございました」
恭しく老師に一礼しながら神保市之丞はこう云った。その尾に従いて芳江姫も慎ましくお礼を云うのであった。――
「吟味所守備の武士どもに取り囲まれたその時には、一期の難儀と怖さ恐ろしさ、市之丞様のお身の上にもしもの事があったなら私もその場ですぐ自害と心をきめておりますところへご老師様がお駈け付けくだされ武士達を叱り退けられお助けくだされたその時の、嬉しさと有難さと申しましたらお礼の申しようもござりませぬ――」手を合わせて拝まんばかりであった。
花の香を含んだ微風が優しく細枝を顫わせると、夜鳥が茂みで啼き立った。
「さあ危険は過ぎましたじゃ、市之丞様も悠りとなされ。私はの、実際にあなた方が可愛く思われてならぬのでのう」
「先生、私どもも先生がお慕わしくてなりませぬ」
「それはそれは有難いことじゃ。いやそうなくてはならぬのじゃ。