Japanische Klassiker mit Furigana
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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
Lesen Sie 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 335.908 Zeichen · 669 Bildschirme
いや授けぬに相違ござらぬ! はたせるかな、既に地神は怒って一旦授けた地の福禄を奪い返されたではござりませぬか! 殿! いかがでござりますな?」
忍び笑いに笑う声が、弾正太夫の唇からもうさっきから洩れていたがこの時俄然爆発した。
「ば、馬鹿な事を! ワッハッハッ! それこそ凡夫の似非仁義、云うて行われぬ坊主談義、勇士の聴くべき話ではないわい! た、白痴た事を! ワッハッハッ!」と、暴雨のように笑い退ける。
それにも屈せずオースチン師は、依然として冷静に構えていたが、相手に匕首でも擬するかのような透徹した寸語でこう云った。
「親は親同志憎ませられい。子は子同志愛し合うでござろうよ」
しかしこの言葉は早速には弾正太夫には解らなかった。彼は黙然と眼を据えて、オースチン師を見詰めながら言葉の意味を味わおうとした。
黙れ、売僧
二人は見合ったまま黙っている。戸外は嵐が吹き巻いて、桜の花の盛りだというに、さっきから降っている牡丹雪は、嵐に雑り吹雪となり、窓の外部から横撲りに凄じい音を立てて襲っている。しかし屋内は静かである。二人はいつまでも睨み合っている。
弾正の顔は、次第次第に赭味を失って蒼くなった。