Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
Lesen Sie 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 335.908 Zeichen · 669 Bildschirme
紋十郎は云ってしまうと、取られていた袖ももぎ放そうとした。お吉はいっかな放さない。
「えい放せ! 遅れるわい! 行かねばならぬ処があるのじゃ!」
「放しはしませぬ放しはしませぬ!」お吉は一層力をこめて兄の袂を握ったが、「ああは云っても謀反でないと兄さんの口から固い証拠をもし見せられたら嬉しかろうと頼んでいたのも今は仇! 自分の口から自慢かのように謀反するのが何悪いと明瞭り明かしてくだされたからは、妾も弓掛の女でござんす、一つには葡萄大谷のため、二つには主君への忠義のため……」
「おおこの兄を殺す気か?」
「血を一つにした兄さんとはいえ……」
「いよいよ殺すつもりじゃの。これ肉親の兄じゃぞよ! 兄を殺さば兄殺し! 五逆罪の一つじゃぞ!」
「それも多くの人達のためには……」
「思い切って殺す気か? 殺せ殺せ殺してみろ!」
「兄さん覚悟!」
「そうはいかねえ!」ひょいと紋十郎は身を反わせた。
「ム――」と苦しむお吉の声。
「わっ。手前腹切ったな!」
「妹の身として兄さんを、何んで殺すことがなりましょう。こうなることはかねての覚悟! 兄さんこれでも謀反の一念……翻えしてはくださりませぬか!」