Japanische Klassiker mit Furigana
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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
Lesen Sie 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 335.908 Zeichen · 669 Bildschirme
明朝鐘を合図に
こう云いすてるとオースチン師は、端然と形を改めて、白虎太郎の正面へグイと膝を進めたのである。
明朝鐘を合図に
怪しい幽霊を映し出す機械――すなわち今日の幻灯をもって守衛どもを驚かせ、甘々部屋から誘惑し、鳳凰の間まで連れて来るや活をもって息吹き返させ、さらにオースチン師の催眠術をもって睡眠に入れられた白虎太郎は今や昏々と眠っている。
「さて数馬殿ご覧うじろ。愚僧これより白虎太郎めを嬲り物にしてお目に掛ける」
こう云うとグイと膝を進め右の拳をひょいと出し人差し指をつと起こした。
「これ白虎太郎、これが解るかの? 高い一本の樹じゃろうがの」
すると太郎は眼を閉じたまま顔を高く上へ向け、さもさも高い大木を仰ぎ見るような様子をしたが、
「はい見えます。よく見えます。ほんとに高い木でございますなア」
「お前の方へ倒れて行くぞ。それそれお前は下敷きにされるぞ」
すると太郎は狼狽したように両手を頭上で打ち振った。「やあ大木めが倒れて来る! 逃げなければならない、逃げなければならない!」
逃げようとしてくのであったが眠っている体は自由にならず、コロコロ転がるばかりであった。