Japanische Klassiker mit Furigana
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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
Lesen Sie 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 335.908 Zeichen · 669 Bildschirme
から、嬉しくもあれば薄気味悪くもあり途方に暮れざるを得なかった。
「妾のことよりお前様こそ、何をしておいでなされます?」
戸外の葉末はこう云いながら格子の隙から内陣の方を窺うように見廻わしたが、
「おお解りました。あの男――市之丞とか云う敵の捕虜を成敗なさるのでございますね」
「さよう、殿の内命を受け、此奴を成敗するのでござるよ」
「お殿様にとって敵なら家来の妾にとりましても憎い憎い敵でござんす。格子を開け妾を入れ、成敗を手伝わせてくださりませ」
云いながら格子をゆするのであった。
「うむ、もっともの云い分ではあるがちとどうも承知しかねる」――青竜二郎は云い渋る。その癖心では内へ入れてもう一度懲りずまに小当たりに当たって見たいとも思うのであった。
「それはまた何故でござります?」
「なぜと云っても成敗役は俺とそしてお前の父親石右衛門との二人だからよ」
「おおそうそう、そうでござんしたな。……ところで妾のお父様急に何かご用が出来てお城へ行かねばならぬ故、代りに妾に行ってくれと、こういう頼みでござんした故、夜の山道恐ろしけれど急いで参ったのでござります」
「なるほど、そうか、それで読めた。