Japanische Klassiker mit Furigana
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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
Lesen Sie 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 335.908 Zeichen · 669 Bildschirme
とは云えこうしていつまでも休んでいることは出来なかった。夜が次第に明けて来るからである。
「さ、お立ちなさりませ。さ、歩かねばなりませぬ。夜明けぬうちに隠れ家まで是非参らねばなりませぬ。肩にお縋りなさりませ」
葉末は甲斐甲斐しく市之丞を起こし、麓の方へ麓の方へと、嶮路を辿って行くのであった。
間もなく二人の男女の姿は闇に呑まれて見えなくなり、その時分から東の空が白々と水色に明け初めた。
とたんに、ゴーンと暁の鐘の第一声が鳴り渡った。
はたしてこの鐘を合図として、清浄無垢の芳江姫は、鬼王丸の犠牲となり、岩石ヶ城の城内で結婚式を挙げたであろうか?
それは尚後の問題として、物語は後へ帰らねばならぬ。オースチン老師と数馬とについて、再び説明することにしよう。
数馬と……オースチン師とは暗然として土牢の前に立っている。
葉末という敵方の娘のために、神保市之丞が助けられたとは二人ながら知る由もなかったので、その反対に市之丞は、残忍酷薄の鬼王丸のために惨殺されたに相違ないと、こう二人は思い定めた。
「残念ながら市之丞殿はもはや助ける術はござらぬ。こうなる上は芳江姫だけでも我らの手によって救い出さねばならぬ。