Japanische Klassiker mit Furigana
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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
Lesen Sie 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 335.908 Zeichen · 669 Bildschirme
「おおさ、難題でも無理でもない」
「父上、それでは申しますが、この山吹は某の可愛い許婚でござりますぞ」
「そうじゃ、その方の許婚じゃ、その許婚にしてやったのは、他でもないこの父じゃ」
「その某の許婚――いわば某の妻の山吹、その山吹を奪うとは言語道断でござりませぬか?」
「言語道断であろうとも無理難題であろうとも、相手が主君であって見れば、黙って従うのが家来の道」
「いえいえそれがわが君様の、ご本心ならばともかくも、そうではのうてあの狐めの戯れ半分の悪戯いから、殿の心をたぶらかし、この山吹を賭物にして、もしこの山吹をわが君が、心に従わすことが出来たなら、あの狐めも殿の御心に、従うなどと申し上げて、そそのかしたがそのために」
「それでお前はその狐めを――いやいや狐などと勿体ない、殿のお側室の鳰鳥殿を、殺めようなどと考えて、殿のご酒宴の真っ只中へ駈け入ろうと犇めいておったのじゃな? 白痴者の迂濶者め、もし殿にふしだらがござるなら、またもしお側室の鳰鳥殿に不都合の事などがあらるるなら、生若いその方などが立ち騒ぐ前に、お家の老職のこの甚五衛門がとうにお諫め申しているわ!」