Japanische Klassiker mit Furigana
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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
Lesen Sie 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 335.908 Zeichen · 669 Bildschirme
「お聞かせください、お聞かせください」
人々は一斉に声を上げた。
「それは他でもございません。ここにおられる三十人の方が、一人で十人の味方を作る。こういうことでございます」
「どうして作りましょう? どうして作りましょう?」
「それは熱心と忍耐と、口舌をもって作るより、他によい方法はありません。諸君! これは生易しい遊び事ではございません。一生の浮沈の別れ目です。生涯山賊の部下として、奴隷の境遇に終始するか、愛と自由と平等との人間界へ下りて行くか、その別れ目でございます。一人で十人を説破して味方に付けるというようなことは、何んでもないことでございます。――さて、ところで、もう一つ、第二回目の冒険は、すなわち山寨脱出は、少くも今より二十日以内に行わなければなりません。何故と申すに二十日を過ぎれば、千山万岳雪に蔽われ、脱出不可能となるからです」
「二十日以内! 二十日以内!」
「こうしてはいられぬ! 取りかからなければならない!」
人足どもは興奮し、口々に叫びを上げるのであった。
「さあ諸君、奮い立って、味方勧誘の大事業に着手しようではありませんか! おお諸君よ! 奮起しなければならない!」