Japanische Klassiker mit Furigana
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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
Lesen Sie 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 335.908 Zeichen · 669 Bildschirme
すると杢之介は大息吐いたが、
「贋使者の輩にございます」
「おお、それではあいつらであったか?」
「ハイ、さようにござります。男の方は加賀の白山に、山寨を作り設けている、人丸左陣と申す者の由、三百人の兵を率い、真っ先に進んで参ります」
「うん、敵はそれだけか?」
「いやいやそうではございません。その人丸の兄弟分、天丸左陣と申す者、これまた三百の軍勢をもって、堂々押し寄せて参ります」
「おお、敵はそれだけであろうな」
「いえ、もう一組ございます」
「はて、其奴何者だ?」
「妙高山に立てこもる女賊の張本傾城小銀が、女兵ばかりを四百率い殿致しておりまする」
「敵勢すべて一千だな」
「ざっとさようにござります」
おりからドッと鬨の声が山上にあたって聞こえて来た。
「水晶山の人足ども、いよいよ脱出を企てたと見える」地丸左陣は眼を据えた。
「腹背敵を受けました上は、悠長に構えてはおられませぬ」千坂杢之介は悲痛の声で、「いざ、ご出陣くださいますよう」
「具足を持て!」と叫ぶ声に連れ、バラバラと現われた召使いども、手に手に具足を捧げている。
「千坂! そちは手勢を率い水晶山に向かうよう! 鎌髭、そちは一隊をもって飯場を厳重に取り囲むよう。