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Japanische Klassiker mit Furigana

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つたかずらきそのかけはし

蔦葛木曽棧

国枝 史郎

Lesen Sie 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 335.908 Zeichen · 669 Bildschirme

Aozora Bunko

それから踊りの輪へはいった。踊りは飽かず繰り返され人数も次第に増して来た。

「ヨイヨイヨイ」

「シャンシャンシャン」

掛け声、手拍子、足踏みの声、そうして音頭取りの美しい声! それが山谷に木精して、深夜の静寂を振るわせる。……

お六は踊りながら、絶えず桟敷へ眼をやった。

「どのお方がお使者かしら? どうぞ顔を見たいものじゃ。……妾にとってはお父様の仇、どうでも一太刀怨まねばならぬ。……たとえ下手人ではないにしても、家来の罪は主人の罪、遁がしはせぬ、遁がしはせぬ」

こう思いながら見やるのであったが、それぞと思われる人物はいない。

彼女の父は六兵衛と云って上松宿の細工師であった。使者下向のその当日、家の中から拝していると、どうした間違いか末子の六蔵が、険しい峠道の外れから、崖の紅葉でも折ろうとするのか、木曽川に向かって半身を乗り出し、すんでに墜落しようとしていた。ハッと仰天した六兵衛が前後を忘れて飛び出して行ったのは親子の情として当然であろう。ところが行列を切った科で一刀のもとに殺されてしまった。

その日お六は余儀ない用事で須原宿の親戚の家へ朝の内から出かけていたが急報に驚いて帰って見れば父はこの世の人でない。