Japanische Klassiker mit Furigana
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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
Lesen Sie 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 335.908 Zeichen · 669 Bildschirme
荒玉梟帥
彼らの季節が来たからであった。だが小鳥達はそれに反し、小さく体を縮めながら、籠の中で顫えていた。そうして温室では冬の花が真紅の色に咲いていた。
荒玉梟帥
「どうしたのだろう、来ないのかな」
大物主は不安そうに云い、それから谷の方をじっと見た。
谷は深く暗かった。すくすくと喬木が聳えてい、そうして雪に埋もれていた。
「参らない筈はございますまい。一旦参ると申したからには」
こう云ったのは山津主であった。彼はこの国の総理大臣とも云うべき六十を過ごした老人であった。
「だが、要するに獣人だ、平気で嘘を云うかもしれない」
こう云ったのは吉備主で彼は本城の侍従頭で、瀟洒たる風采の持ち主であった。
一同は誰かを待っているのであった。
その時、谷の断崖を上り、一人の大男が現われた。
それは真に巨大な男で、普通に形容をしたところで、信じられないような人間であった。山上の冬は寒いのに腰に毛皮を纏っているばかり、後は全くの赤裸であった。
城門の方へ近寄って来た。
二重の城門を潜る時にも、肩を下げなければならなかった。
近寄るままによく見れば、青銅造りと云いたいような青黒い皮膚の到る所に漆黒の毛が生えていた。