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Japanische Klassiker mit Furigana

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つたかずらきそのかけはし

蔦葛木曽棧

国枝 史郎

Lesen Sie 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 335.908 Zeichen · 669 Bildschirme

Aozora Bunko

「様子を見れば里人らしいがよくこの国へ来られたものだ」

「美しい女だ、素敵な別嬪だ」

「いったいなんのために来たのだろう?」

「道に迷ったに相違ない」

「これはうっちゃっては置かれない。ご領主様へ申し上げよう」

で、幾人かが本城へ走った。

この時領主大物主は、群臣を城内の大広間へ集め、大会議をひらいていた。

「ナニ、人里の女が来たと? うん、そうして美しいというのか。では城中へ召し寄せるがよい」

彼は好色の男であった。で、鳰鳥に興味を持った。

一室へ通された鳰鳥は、さすがに不安でならなかった。城の構造、室の装飾が、善美を尽くした異国風なのも、彼女の心を驚かせた。

やがて警蹕の声がした。

間もなく領主が現われた。

大物主は勿体らしく、鳰鳥の姿を見廻わしたが、美しさに打たれたらしかった。

彼はツカツカと進み寄り、それから突然鳰鳥を抱え、隣りの部屋へ引き入れようとした。

そこには寝台があるのである。

領主は横暴なものである。一人の女を征服し、情慾の犠牲にするぐらいは、当然な権利と思っている。

鳰鳥はアッと声をあげ力まかせに抵抗した。

領主の家来は笑っている。珍らしくもない毎々のことだ――こう云ったような顔をして、部屋の片隅に立っている。