Japanische Klassiker mit Furigana
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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
Lesen Sie 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 335.908 Zeichen · 669 Bildschirme
この国の女王
こう鳰鳥は切り出した。「妾にそうは思われませんの。よくないお方がおられる筈です。卑しい所業をなされるお方が。……で、妾の境遇は、大変危険なのでございますの。妾にはそんなように思われます」
美麻奈姫はこれを聞くと、じっと考えに打ち沈んだ。
ややあって姫は面映そうに、
「それでは誰かあなたに対し、失礼なことでもなさいましたので?」
「ええそうなのでございますの」
「悪い男でございますのね。妾にお話しくださいまし。きっと罰してお目にかけます。……あの、朱主ではなかったでしょうか? 北門の長の朱主では?」
「いいえそうではございません」
「では、米主ではなかったでしょうか? 兵糧長の米主では?」
「そんなお方ではございません」
「では、槌主ではなかったでしょうか? 乱暴者の槌主では?」
「そうではなかったようでございます」
「ああそれでは力主でしょう。兵器長の力主!」
「そうでもないようでございます」
「ああ解りました。これに相違ない。侍従頭の吉備主、若い色白の厭味な男! ね、この人でございましょう?」
「決してそうではございません」さも鳰鳥は気の毒そうに云った。
「ではもう妾には見当が付かない。