Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

つたかずらきそのかけはし

蔦葛木曽棧

国枝 史郎

Lesen Sie 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 335.908 Zeichen · 669 Bildschirme

Aozora Bunko

「美麻奈さんを助けるには及ばない。あのままで美麻奈さんは幸福なのだから」

こういうことを思いながら、鳰鳥が山道を歩いていたのは、その夜の真夜中のことであった。

彼女は梟帥の小屋の前に立って、婚礼の様子を見ているうちに、そういうことを感じたからであった。

「妾はこれからどうしよう」

麗人国へ帰って行く必要はない。獣人国に止どまっている必要もない。

「木曽の館へ帰って行くことにしよう」

木曽へ帰って行くとして、では彼女はこの険難な、駒ヶ岳の山道を一歩一歩、辿って行かなければならないのであろうか?

いやいやそんな必要はなかった。今の彼女は倶係震卦教の、立派な体得者であるのだから、尺地術を念じ行いさえすれば、易々として木曽へ帰って行くことが出来た。

間もなく月夜の駒ヶ岳の、大自然をあたかも黒い魔のような物が、疾風のような素早さで、走って行くのが見てとれた。

尺地術を行った鳰鳥の、それは走って行く姿であった。

山の上にある麗人国も、谷の底にある獣人国も、見る見る彼女の背後になった。水藻水泡の住んでいる双玉の原も背後になった。

間もなく木曽へ着くことであろう。

しかし彼女はある地点まで来た時、行手に一つの人影を見た。