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Japanische Klassiker mit Furigana

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つたかずらきそのかけはし

蔦葛木曽棧

国枝 史郎

Lesen Sie 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 335.908 Zeichen · 669 Bildschirme

Aozora Bunko

声はどこから来たのだろう?

正面に小高く岩を積み上げ、その上へ大熊の皮を敷き、一人の老人が坐っていた。その老人が怒鳴ったのであった。

老人の名は土彦と云った。岩石人の長であった。白髪が肩まで垂れていた。彼の右腕は千切れていた。身長だけは普通に高かった。

左手に玉を握っていた。それは勾玉管玉であった。囲炉裡の猛火がそれに反射し、ピカピカ獣の眼のように光った。

どうしたものかこの時にわかに、岩石人達は動揺した。

米主が姿を現わしたからであった。

米主はツカツカと前へ進んだ。

「俺は麒麟山の麗人族、兵糧長の米主だ! 無礼をすると承知しないぞ!」

グッと四方を睨み廻わした。その眼を土彦の顔へ注いだ。

「これ、貴様がここの長か※(感嘆符疑問符、1-8-78)」

土彦の顔色は見る見る変わった。怒りと恐怖と当惑とが、入り雑ったような顔色であった。

「うん」と彼はまず云った。「岩石人の酋長だ! 俺の名は土彦だ。何んの用があってやって来た」

「これ馬鹿者め、そこから下りろ!」

米主は烈しく威嚇した。「俺と貴様とは身分が違う。俺の祖先は天孫だ。貴様の先祖は土蜘蛛ではないか!」