Japanische Klassiker mit Furigana
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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
Lesen Sie 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 335.908 Zeichen · 669 Bildschirme
「いやいや私は反対じゃ。すべて女という者は甘やかしたら方図がない。増長して始末におえぬものじゃ」
「それはあなたの考え違い、それでは女はなつきませぬ。女を馴らす一つの法、それは情けを掛けること!」
「いやいや鞭で打つことじゃ!」
「そのようにあなたがおっしゃるなら、賭けを致そうではござりませぬか。どうか三人の朋輩衆を私にお預けくださいませ。きっと私が根強く説いて、必ずあなたの思惑通りに従わせてお目にかけましょう」
「なるほどこれは面白い。それではそなたに委かそうかな」
「どうぞお委せくださいまし」鳰鳥は縁先へ歩み寄り、「さあお許しが出たほどに、皆さんお居間へお帰りなされ」
「鳰鳥様、有難うございます。あなたのお蔭で松葉燻しの恐ろしい折檻が助かりました」
「厚く厚くお礼を申します」
「ご恩は忘れは致しませぬ」
三人は互みに云うのであった。
「なんのお礼に及びますものか。相身互いでございます」鳰鳥は誇ろうともしなかった。
「何を愚図愚図申しておるぞ!」長者は憎々しく怒鳴り立てた。「穏しく各自の室へ帰って、鳰鳥の行くのを待つがいい! 鳰鳥の言葉は俺の言葉、決して抗弁はならぬぞよ!」