Japanische Klassiker mit Furigana
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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
Lesen Sie 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 335.908 Zeichen · 669 Bildschirme
「右門殿、卑怯ではござらぬか。また無礼ではござらぬか。かくまで我らが礼を尽くし、お請待申すを無下に拒わり、我らに背後を見せるとは! 我らは決して貴殿に対し危害を加えは致さぬつもり。決して刀は抜かぬつもり。それをそうやって逃げらるるのは、武士の作法を心得ぬ致され方ではござらぬか! 我らの言葉に従われて御嶽の山砦へ参られたなら、ご内室に逢うことも出来申す。疑いを晴らしていざ、我らとご同道致そうではござらぬか」
その時右門は眼を怒らせ、武者之助をきっと睨まえたが、
「黙りおろう山賊ども! 汝らの姦計にあざむかれておめおめ山砦へ引かれるほどの愚かな振舞いを致すと思うか! 二度と申すな、聞く耳持たぬ!」鋭く云って、太刀の柄を砕けるまでに握りしめた。
「二度と申すなと仰せられても、我らの心に従われるまでは、百度でも千度でも申すつもり。それでは貴殿はどうあっても山砦へ参らぬご所存か※(感嘆符疑問符、1-8-78)」
「武士に二言はござらぬわい!」
「ご内室に逢おうとも思し召さぬか?」
「…………」右門はじっと沈黙した。
武者之助は一歩進み寄り、
「いかがでござるな右門殿、ご内室に逢いたいとはおぼしめさぬか?」