Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.455 Zeichen · 290 Bildschirme
喜六の後ろにいる唐人お勇は、匕首を抜いて、ガラッ八の脇腹へサッと突いて出たのです。
平次は危うくそれを突飛ばすと、お勇の匕首は飛龍のごとく平次の胸へ飛んで来たのでした。それをかわして、
「女、いい加減にしろッ」
飛付く平次、その手を払ってお勇の身体は、大川の寒水へ、水音高く飛込んでしまいました。
*
「変な捕物だったね、親分」
その帰り路、柳原土手でガラッ八はこう誘いかけました。
「脇差を十両に売ったのが始まりさ、手前が勘のいい人間で、吉三郎の心持を読むと、こいつは危ないことだったよ」
平次は面白そうです。
「ヘエ――」
「まだ判らねえのか、――手前に抜荷を揚げる現場を見られたから、大なまくらを十両で買ってな、手前の御機嫌を取ったのさ、――見て見ぬ振りをしてくれという謎さ」
「なアーる」
「今頃感心する奴があるものか、十両の元手をただ取られたようなものだ」
「ヘエ――」
「あの牙彫の根付は、たぶん抜荷を受取る手形のようなものだろう。吉三郎は仲間では三下だが、あの牙彫の手形を手前のところから見付けて持って行くと、急に頭領の株を狙って、抜荷の大儲けを一人占めにしようという大望を起したのさ」