Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.455 Zeichen · 290 Bildschirme

Aozora Bunko

二

二

「八、近頃何か変なことがありゃしなかったか」

平次は改めてこう訊きました。

「変な事?」

「たとえば、手前が嗅ぎ出した犯人とか、腑に落ちないと思った事とか――」

「ありませんよ」

「何かの証拠を握るとか――」

「なんにも握りゃしませんよ」

ガラッ八はあまりにも屈託のない顔です。

「そんなはずはないが、――待てよ、その、手前から脇差を買ったのは誰だい」

「浜町の吉三郎、――遊び人で」

「吉三郎なら知っている。賭事もしない様子だが、妙に金廻りのいい野郎だ、――その吉三郎とどこで知合になった」

「髪結床で、――あっしとちょうど互先という碁ですよ」

「手前、浜町まで顔を剃りに行くのかい」

「いえ、吉三郎の野郎が町内の錨床まで来るんで、――あすこの親方の剃刀がたまらねえって」

「錨床の親方は、髷はうまいが、剃刀は下手じゃないか」

「あっしもそう思うんですがね」

「ところで、吉三郎は、何か手前に頼みはしなかったか」

「いいえ」

「少し変だな、八。脇差を売った時、何か言ったはずだと思うが――」

平次の問は次第に核心に触れて行きます。

「言いましたよ、あっしの煙草入の根付を見て、そいつは気に入ったから、脇差と一緒に譲ってくれ――って」