Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.455 Zeichen · 290 Bildschirme

Aozora Bunko

五

「お安い御用だ、他所行きのですか、それとも平常使いのですか」

「馬鹿だな、お前は」

すべてこういった調子ですが、昔の江戸っ子は、こうした警句のために、自分の命ぐらいは何とも思わずに賭けました。

「誰にも言っちゃならねえよ、俺達の知り合いから出来るだけ鈴を集めるんだ、――それから、熊や三公にそう言って、まだ手の届かねえ場末から鈴を集めさせ、それを背負って、手前しばらく鈴を売って歩くんだ」

「そんな事なら何でもありゃしません、やりますとも」

「血眼で鈴を探している奴は、鈴で釣るより外に術はねえ」

「解りましたよ、親分、鈴でも半鐘でも売って歩きますよ」

物事を単純に考えるガラッ八は、もうすっかり成功したつもりで飛出してしまいました。

五

その翌る日、八五郎はすっかり鈴屋になり済まして、入谷から根岸の方へ流しておりました。万筋の野暮ったい袷に、手甲脚絆をつけ、置手拭までした恰好は、誰に教わったか知りませんが、すっかり行商人の板についております。肩から小鈴の箱を飴屋さんに掛けて、両手には、大きい鈴を、新しいのと古いのと取交ぜて、五つ六つずつ提げました。

「――エー、鈴はいりませんか、大きいのは拝殿の鈴から、小さいのは鋏の鈴、腰下げからポックリの鈴――新しいのもある、古いのもある。