Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.455 Zeichen · 290 Bildschirme

Aozora Bunko

二

二

この話があって間もなく、三人娘の運命に、恐ろしい呪いが降りかかりました。

それは、三月の節句が過ぎて三日目。

「た、大変ッ、親分」

八五郎が髷節を先に立てて、礫のように飛込んで来たのです。

「何だ、八、請合い三日に一度ずつは大変を喰わされるぜ、手前と付き合っていると、つくづく寿命の毒だと思うよ」

房楊枝を井桁に挟んで、ガボガボと嗽いをやった平次、一向物驚きをしない顔を、ガラッ八の方に振り向けました。

「親分、お柳が殺されましたぜ」

「…………」

「乾物屋のお柳が、妻恋稲荷の境内でやられていますぜ」

「何だと」

「行ってみて下さい、大根畠の金太の野郎が、一と足先に嗅ぎ付けて、さんざん掻き廻しているのを見て、あっしはここへ駆け付けたんだが――」

「騒ぐな、八」

そう言いながら、手早く顔を洗って、着換えをした平次、顎を一つしゃくって、ガラッ八と一緒に現場へ飛びました。

ツイ二三日前噂をしていた乾物屋のお柳、――ガラッ八も満更でなかったらしい、町内の評判娘の死は、平次の職業意識を、ほんの少しばかり湿っぽくします。事件を報告したガラッ八が、日頃の躁ぎ切った調子に似ず、妙に沈んでいたのは、日頃平次に楯をつくことばかり考えている若くて野心的な岡っ引、大根畠の金太に対する反感ばかりではなかった様子です。