Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.455 Zeichen · 290 Bildschirme
五
「いえ、何にも考えてなんかおりません」
「そうじゃあるまい。――この家で、主人とお内儀が死んで、儲かるのは誰だろう?」
「皆んな損でございますよ。御主人は釣道楽があっただけで、本当に良い方でございました。お内儀さんは情け深くて、これも申分のない――」
「それは判っている、後はどうなるだろう、この大身代は」
「坊っちゃまがございます。もっともまだ五つになったばかりですが――」
「後見は?」
「六郎様か、金之丞様ということになりましょう、もっとも永年勤めた、忠義な支配人さんが居りますが、――これは奉公人ですから、帳場だけをお預かりして、内輪のことはやはり身内の方が見て下さることでしょう」
「すると、儲かるのは、六郎さんか、金之丞さんか、番頭の佐吉さんということになるネ」
「とんでもない、親分さん」
爺やはあわてて乗出しました。平次の後ろに、金之丞が酸っぱい顔をして立っていたのです。
五
もう一度家の中へとって返すと、跡取りの徳太郎という五つになるのが、家の中の騒ぎに眼を覚して起き出したのを、叔母のお里が一生懸命撫めている最中でした。母親の痛ましい姿を見せないためでしょう。