Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.455 Zeichen · 290 Bildschirme

Aozora Bunko

八

「あッ」

何とそれは、あの女のように優しい能役者崩れの金之丞ではありませんか。

八

「今度ばかりは見当が付かなかったよ」

平次は、二三日経ってから、つくづく述懐しました。

「下手人はどうしても六郎だ、理詰に考えると、外に疑いの持って行きようはねえが、五つになる子供が金之丞を嫌ってあの荒っぽい六郎になついているのが不思議でたまらなかった。――大人は騙せる、子供は騙せるものでない」

「…………」

「あんなに玩具を買って来て、一生懸命御機嫌を取る金之丞より、叱ったり打ったりする六郎が好きだというのは、子供は神様のようなものだから、人の腹の中まで見抜くんだね、俺は考えたよ」

「…………」

「その六郎が縛られると、本当の下手人は爺や殺しの疑いをすぐ誰かに持って行かなければなるまい。今まで六郎を疑わせるように細工をしていたんだから、筋書はまたすっかり新しくなる。わざと自分の匕首で爺やを刺したのは金之丞の喰えないところで、銭形平次の智恵の底の底まで見破ったつもりの細工さ。あれだけだと、俺も金之丞を疑う気はなかったかも知れないが、死体の側へ佐吉の煙草入を落したのが、細工すぎてかえって悪かった。