Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.455 Zeichen · 290 Bildschirme
九
夫孫三郎の許しを受け、金に飽かして新古いろいろの鈴を買い集め、その中から、道斎銘のを探し出して楽しみにしておりましたが、不思議なことに、母の金簪を鋳込んだ、父の最後の傑作が見えません。
だんだん詮議しているうちに、誰の手を経てどうして売られたか、その鈴は徳蔵稲荷の拝殿にあることを見付け、鈴だけ所望するのも、稲荷様を騙すようで気がさすので、社殿を全部寄進する代り、古い祠を何もかも申受け、この根岸の寮に移して、拝殿に掛けた父の最後の傑作――玲瓏たる名鈴の音に、朝夕親しむつもりだったのです。
「こんなわけでございます。親分、父親の作った鈴の音を慕う私の心持をお察し下さいまし」
長物語をおわったお米は、物悲しそうに平次の顔を振り仰ぐばかりでした。
九
「親分、これからどうなるんでしょうね」
とガラッ八。
「俺にも解らねえ、二日でも、女護の島みたいな寮に引止められていたんだから、手前も少しは智恵が付いたろう。何とかこの先を考えてみな」
「チェッ、雁字がらめにされて、納戸に投り込まれていたんですぜ。あんな恐ろしい女護ヶ島ってあるわけのもんじゃねえ、あの肥っちょの飯炊きがまた恐ろしい力で」