Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.455 Zeichen · 290 Bildschirme

Aozora Bunko

五

万七はそう言いながら女物の下駄を突っかけてお勝手口へ出る。

「与次郎とかいったネ、ちょいと訊きてえことがある、番所へ一緒に来て貰おうか」

釘抜のような手が、ピタリと、箒を持つ手頸に掛りました。

「あっ、何をするんだ」

立ち辣んだ与次郎、浅黄の頬冠りこそしておりますが、苦味走った三十男、咄嗟の間に、万七の手を振りもぎって逃げようとすると、

「御用ッ」

「神妙にしろッ」

路地から二人の子分が疾風のごとく飛込んで来るのでした。

五

万七にしてやられて、ガラッ八の八五郎は、驀地に神田へ取って返しました。

「親分どうかしておくんなさい。あっしはこんな恥を掻かされたことがない」

「馬鹿野郎、また何かドジな真似をしたんだろう。見てきた通り、真っ直ぐに話してみな」

銭形の平次は、八五郎を叱り飛ばして、報告の順序を立てさせました。

「何? 庭には、川岸の往来に向いた木戸より外に入口も出口もねえ、――銭湯へ行ったと言う、与次郎が疑われるわけだな、足跡の様子では下駄は、女物か、男物か」

「それが時が経っているのと、さんざんに踏み荒らしているから、まるっきり解らねえ」

「仕様がねえなア、銭湯へは行って訊いたろうな、越後屋の女房が殺された時刻に、与次郎が行っていたかどうか」