Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.455 Zeichen · 290 Bildschirme
八
「そんなものが証拠になりましょうか」
源助と伊之助は思わず首を出しました。
「なるとも、大なりだよ、字が滅法うまいから、掛り合いの人間の書いたのをいちいち突き合せりゃ、半日経たないうちに犯人が挙がるよ、番頭さん、ちょいと見せてやろうか」
ガラッ八は懐から紙片を引出しましたが、またあわてて引っ込めて、
「ブルブルブルブル、親分に見せないうちは、滅多なことが出来ねえ。これから不動様の縁日で見世物を二つ三つ冷かして、八丁堀へ行ってみるとしよう」
そんな事を言ってガラッ八は、挨拶もせずに帰ってしまいました。
八
その足で八五郎は、予告の通り不動様の境内へ入って行ったものです。居合抜き、豆蔵の芸当、一寸法師の手踊り、と野天芸人をいちいち立って見た上、今度は足芸と河童、ろくろ首に大蛇の塩漬、といった小屋掛の見世物を覗いて、一刻(二時間)ばかり後には、鳥娘の絵看板の前に、持前の長い顔を一倍長くして見とれておりました。
「あッ、何をしやがる」
内懐の中でガラッ八の手は、袖口からそろりと入って来た細い華奢な手首をギュッと握ってしまったのです。
「あッ、御免なさい、――そんなつもりじゃ」