Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.455 Zeichen · 290 Bildschirme

Aozora Bunko

七

「大夕立の時、ここに舟がいなかったかい」

平次は窓から顔を出しました。

「いなかったようでございますよ。いさえすればすぐ気がつくはずですから」

お通の母親がそんな事を言います。水と窓との間はほんの三尺そこそこですから、船が舫っているのを、茶店の中の者が気が付かないはずはありません。

「有難う、何かまた気が付いたら教えてくれ、頼むぜ」

平次は愛想よくお通に別れて、深川の春木屋へ急ぎました。

七

「これは銭形の親分さん、とんだお骨折りで」

帳場に居た番頭の源助は、平次の顔を見ると、型のごとく薄暗い店先へ飛出しました。まだ四十二三、大店の支配人にしては少し若いくらいですが、その代り同業中の切れ者で、身体の弱い主人の治兵衛には、まことに打ってつけの女房役だったのです。

「番頭さん、あの三千両は、ここを持ち出す時は、確かに箱の中にあったに相違あるまいね」

「それはもう親分さん、主人と私が四つの眼で見たことですから――」

「それじゃ、一昨日の晩、店の者か、通いの若い衆で、外へ泊った者はないだろうか、ちょっと調べて貰いたいが」

平次は当然の事を訊きます。

「ヘエ、ヘエ、そんなお疑いもあるだろうと存じまして、店の者一同立会いの上、あの晩の頭数を調べておきました。