Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.455 Zeichen · 290 Bildschirme

Aozora Bunko

七

「えッ、どうしてそんな事が解るんだ」

万七の唇は少し尖りますが、平次は事もなげに、

「刀か脇差だと、これは左利きの業だが、傷の工合じゃ、どうしても得物は合せ剃刀だ。ネ、そんな短い物で人の命でも奪ろうとすると、逆手に持たなきゃア役に立たないよ。右の喉笛や、右の頬を、斜めに斬り下げたのはそのためだ。突き傷のように、恐ろしい力で下へ斬り下げているだろう」

「なある――」

三輪の万七、一言もありません。

しかし、右利きとわかったところで、下手人の当りが付いたわけではありません。右利きは左利きの十倍もあるのですから、わずかに、与次郎が下手人でないということが、消極的に解っただけの事です。

七

その時、妙な者が訪ねて来ました。

「銭形の親分さんが来ていなさるそうですが、ちょいとお目にかかって申上げたいことがあります」

お駒に取次がせたのは、この辺に網を張って、吉原へ通う客を拾う辻駕籠の若い者、――といったところで、四十過ぎの世帯疲れの目立つ、不景気な駕籠屋が二人でした。

「私に用事というのは、お前さん達かい。取込み中で、お通しは出来ないが、ここで聴かして貰いましょう。