Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.455 Zeichen · 290 Bildschirme

Aozora Bunko

「誰も居はしない。変だねえ」

「そんな事があるものか、今も人の声がしていたじゃないか」

「そう言ったってお前さん、猫の子もいないよ」

お市はそう言いながら、戸袋に左手でつかまったまま、まだサラサラと降る雪の中へ、何の気もなく顔を突き出したのでした。

「あッ」

恐ろしい悲鳴。

驚いて佐吉が立上がった時は、お市の身体は、もんどり打って、雪の庭へ――、真っ逆さまに落ちてしまったのでした。

「何て間抜けな事をするんだ。怪我をしないか」

佐吉はそう言いながら、縁側へ飛出して差し覗くと、お市の身体は雪の中に転落して、ノタ打ち廻りながら、

「お化けだッ」

辛くもそう言ったきり、がっくり崩折れてしまった様子です。見ると、頸筋から噴き出した恐ろしい血潮が、お市の半身と、その辺の雪を物凄まじく染めておりますが、見渡したところ、縁の下にも、庭の中にも、お化けはおろか、人間の片らも見えません。

佐吉はそれでも、漸く気を取直して、女房の身体を縁側へ抱き上げましたが、いつの間にやら、行灯を蹴飛ばして、灯を消してしまった事に気が付きました。

「お駒、大変だッ、灯を持って来い」

少し離れているお勝手へ怒鳴ると、