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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.455 Zeichen · 290 Bildschirme

Aozora Bunko

争うほどの事でもないので、そのまま駕籠を停めたのは、ちょうど此家の裏口、垂を上げると、中から出たのは、先刻の松坂木綿らしい粗末な綿入れを着た娘とは似も付かぬ、縮緬の白無垢を着て、帯まで白いのを締めた、鷺娘のような、凄まじくも美しい新造だったというのです。

狭い駕籠の中で、どうしてそんな早変りが出来たか、渡世の駕籠屋も想像が付きません。とにかく、急に臆病風に誘われて、定めた駕籠賃ももらわずに、山の宿の方へ一散に逃げ出してしまったという話――。

「親分さん、お狐様か雪娘か知りませんが、どうもろくなもんじゃございませんよ。御用心なさいまし。ヘエヘエ――こんなにお駄賃を頂いてはすみません」

二人の駕籠屋は、余分の駄賃を貰った上、所、名前を言って帰ってしまいました。

「ね、銭形の、こいつは鎌鼬じゃなくて、お稲荷様かも知れないぜ。主人は鳥居へ小便でも掛けたことがあるんじゃないか」

万七は妙にニヤリニヤリしておりますが、平次はそれを聞くと、追っ立てるように外へ飛出しました。

裏口は往来を距てて大川。

もう少し先へ行くと都鳥と、瓦屋が名物ですが、この辺はまだ町の中で、岸にはいろいろのゴミが、雪と一緒に川面を埋めております。