Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.455 Zeichen · 290 Bildschirme
ここまで聞くと、さすがに万七は老巧な御用聞でした。庫裡へ駆け込んで住職を引っ張り出すと、渋るのを無理に口説き落して、お神楽の清吉を寺社奉行役宅まで走らせました。新墓を掘り返す権力などは、寺も、遺族も、町方も持ってはいません。
手続きに暇取って、役人立会いの上墓を発いたのはその日の夕方、予期の通り千両箱が三つ、大して深くないところから現われた時は、ガラッ八は言うに及ばず、万七も清吉も思わず喊声をあげました。
幸い来合せた寄進主の春木屋治兵衛、住職と談合の上、寛永寺の役僧と、寺社奉行から出張の同心立会いの上、三つの千両箱は本堂に移され、治兵衛の手で封を切ることになりました。
「治兵衛、封に間違いはあるまいな」
と万七はさすがに黙ってはおられません。
「なにぶん土の中に埋められて、傷んでおりますから、確かな事は申されませんが、店で拵えさせた封に間違いはないようでございます」
治兵衛はそう言いながら、封を切って一番上の千両箱を開きました。
「あッ」
中は砂利と古金屑、――山吹色の小判などは一枚もありません。
続いて第二、第三の千両箱が開けられました。が、いずれも同じことで、中味は綺麗に掏り替えられ、砂利と金物の屑を詰めて、巧みに看貫(重量)を誤魔化しただけの事です。