Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.455 Zeichen · 290 Bildschirme

Aozora Bunko

女はなおも抗いますが、ガラッ八の馬鹿力は、そんな事を物の数ともしません。

「懐の手紙に釣られやがったろう。どこの阿魔だか知らないが――」

ガラッ八はそのまま女を追い立てるように、永代橋を渡って、八丁堀の笹野新三郎役宅まで参りました。

「親分、とうとう捕まえましたよ。あっしの懐を狙ったのはこの女で――」

「何だ、女巾着切りのお兼じゃないか」

待ってました、と飛んで出た平次は、八五郎の獲物を見ると、少し予想外な顔になります。

「あッ、銭形の親分さん、今日は何にも盗りゃしません。私を捕まえて、どうするつもりなんです」

お兼は平次の顔を見ると、急に元気になります。

「八、本当にその女が手前の懐を狙ったのか」

「何だか知らねえが、いきなり内懐へ手を入れましたよ」

「親分さん、お目こぼしを願います。今日は本当に何にも盗ったわけじゃありません」

とお兼。

「盗りたいにも、その男は一両と纏まった金を持ったことのねえ人間だよ。お前のような玄人が狙うような玉じゃねえ。見当はその懐にある泥だらけな手紙だろう」

「とんでもない、親分さん」

「お兼、お前は巾着切りだけかと思ったら、とんでもねえ仕事へ足を踏み込んだね」