Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.455 Zeichen · 290 Bildschirme
谷中の八軒町で、手広くやっている川越屋、――あれが昔の音次郎でございます。七年目で捜し当てた嬉しさ、いきなり飛込んで店先で呶鳴り立てると、お前の娘などを知るものか、死んだ女房が夢でも見たんだろう――とけんもほろろの挨拶、二度目には私を突飛ばして下水の中に抛り込み、もう一度来やがったら、言い掛りを申立てて、見廻りのお役人に引渡すとこういう無法なことを申します」
「その音次郎のところに、娘があったはずだが、あれは誘拐されたお前の娘とは違うのかい」
平次はちょっかいを掛けてみました。
「町内で評判者の娘でございますが、あれはまるっきり違います。私の娘のお染は取って十九になるはずですが、音次郎の娘はまだ十七ぐらいで、それに、お染は綺麗な娘でございましたが、可哀想に左の眼は、生れながら白い靄がかかっておりました。音次郎の娘は両方の眼が綺麗で、名前もお崎とか言うそうで――」
「それで諦めたというのか――」
「諦められるようなそんな生優しいことではございません。十七年前に女房のお楽が、十両の金をつけて始末を頼んだお染、音次郎が知らないはずはありません。死んだか、生きているか、売られたか、人にやったか、それを白状させるまでは毎日でも参ります。