Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.455 Zeichen · 290 Bildschirme
平次はもう、お崎の感傷になど係り合ってはいられませんでした。
間もなく見廻り同心が出張して、川越屋の家中を引っくり返して調べると、盗み溜めた寺方の宝物は、仏像仏具、経文合せて八十幾点、床下と天井裏に隠した金銀は、ザッと二千三百両。あまりのことに、役人方もしばらくは口もきけないほどの驚きです。
寺荒らしの怪盗は、武州無宿の音次郎と判り、娘のお崎も幾度も幾度も取調べを受けましたが、これは兇悪無慙な曲者の娘らしくもなく、あまりに清純なのと、父親の悪事を毛ほども知らなかったので役人方を驚かしました。
この騒ぎが江戸中に拡がると、三輪の万七は、憤々として駆け付け、平次に嫌味の数々を聞かせながら、必死となって探索を始めました。
「親分、とうとう三輪のが出しゃ張って巡礼の老爺を縛ってしまいましたよ」
ガラッ八がそう言って来たのは、その翌々日でした。
「何? あの百松を縛ったというのかえ」
「蓼斎があの晩、川越屋の裏のあたりをウロウロしている老爺を見たんだそうですよ」
「そんなこともあるだろうが――少し困ったことになったよ」
「何が困るんで、親分」
「俺は外のことを考えていたんだ。