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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.455 Zeichen · 290 Bildschirme

Aozora Bunko

子供の時は、たぶん白い靄のかかった眼であったはずだ」

「その通りですよ、先生ッ」

「一体、それがどうしたというのだ」

角井憲庵も何が何やら解りません。

「それが解れば、この娘の仕合せです、大泥棒の娘でないということを、角井憲庵先生が保証してくれたようなものですから」

「…………」

二人の応対に現れる事件の進展の奇っ怪さに、当のお崎はただ眼を瞠るばかりです。

「お崎さん、お前は小さいとき長崎に居た覚えはないか」

「…………」

お崎は悲しく頭を振りました。よしんば長崎に居たことがあるにしても、それはお崎が三歳の時でなければならないのです。

「眼の療治をした覚えがあるだろう」

「え、それなら夢のように覚えております。毎日お医者に通うのが厭で、さんざん泣いたことを――」

「よしよし、それだけでたくさんだ」

「すると親分?」

お崎の眼は疑惑と不安に動きます。

「驚いてはいけないよ、お前は川越屋音次郎の娘ではない。今から十七年前、音次郎に誘拐されて長崎へ行った、あの百松の娘のお染だよ」

「…………」

お崎の唇の色がサッと変ったのです。

「音次郎は長崎で抜荷を扱うついでに、お前の眼の療治をしてやったが、あんまり可愛かったので、本当の娘にして育てる気になったのだろう。