Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.455 Zeichen · 290 Bildschirme

Aozora Bunko

「ヘエ――、するとあの美しい娘が悪人てえ証拠は?」

「あの娘と擦れ違ったとき見ると、袖の先に同じように赤いものが付いてるが、それは朱じゃなくて血だ。それにあの娘は広徳寺前で、袂から泥焼きのお狐様を落したろう」

「それは、あっしも見ましたよ。あれは徳蔵稲荷の門前で売っていますね。素焼きのお狐に泥絵具を塗って、一つが十二文、あれは懐中へ忍ばせておくと、願い事が叶うとか言って、手弄みをする手合がよく持っていますが――」

「それだよ、そのお狐を若い女が袖に忍ばせているのも可怪しいが、何かの機みで落っことすと、乾き切った往来の上で尻尾が欠けた。――この通り」

平次はいつの間に拾ったか、内懐から尻尾の欠けた素焼きの狐を出して見せました。

「いつの間に拾いなすったんで、早業だね、親分は?」

「馬鹿、静かに物を言え、往来の人が顔を見るじゃないか、――ところで、女が物を落すと、どんなに忙しい時でも大抵踏み止まって一応は拾い上げるものだ。そして、役にも立たないことだが――毀れたものなら、元の通り継いでみるとか何とか、どんなにつまらない物でも、それくらいの未練は持っているものだ、ところがあの娘はどうだ」