Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.455 Zeichen · 290 Bildschirme

Aozora Bunko

「馬鹿だね、相変らず奢らせる事ばかり考えてやがる――今日のはそんな気のきいたんじゃねえ」

「ヘエ――そうすると、いつかみたいに、食わず飲まずで、人間は何里歩けるか、お前に試させるんだ、てな事になりゃしませんか」

「いや、そんな罪の深いのじゃないが――変な事を聞くようだが、手前、身体を汚したことがあるかい」

「身体を汚す?」

「文身があるかということだよ、――実は今日両国の『種村』に“文身自慢の会”というのがあるんだ」

「ヘエ――」

「これから覗いてみようと思うんだが、蚤が螫したほどでもいいから、身体に文身のない者は入れないことになっている」

「それなら大丈夫で」

「あるかい」

「あるかいは情けねえ、この通り」

袷の裾を捲って見せると、なるほど、ガラッ八の左の足の踝に筋彫で小さく桃の実を彫ったのがあります。

「ウ、フ、――その文身の方が情けねえ」

「そう言ったって、これでも蚤の螫した跡よりはでっかいでしょう。――いったいそんな事を言う親分こそ身体を汚したことがありますかい」

「真似をしちゃいけねえ」

「何べんも親分の背中を流してあげたが、ついぞ文身のあるのに気が付いたことがねえが――」