Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.455 Zeichen · 290 Bildschirme
「ヘエ――、その、『種村』で捉まえた女を伴れて来て、改めて見ると、文身が半分消えちまったんで」
「あ、そんな事か」
「親分はもう御存じで――」
「知ってるわけじゃないが、大方そんな事だろうと思ったよ。実は俺もその術を用いたんだ。背中へ藍墨で、六文銭を描いて行ったが、濡れ手拭で拭くと、綺麗に消えるよ」
「ヘエ――」
「すると親分の文身はペテンだったんですね」
とガラッ八。
「当り前さ、俺は親から貰った生身を汚すことなんか大嫌いだよ」
「ヘエ――」
二人の子分は全く開いた口が塞がりませんでした。
「すると、あの女は、何の目当てで、文身なんか描いたんでしょう?」
と清次郎、これはなるほどガラッ八よりは事件の急所を知っております。
「それが解ってしまえば何でもないんだが、まだ少しばかり解らないことがある――笹野の旦那のお言葉なら、行かないわけにもいくまいが、俺はもう少し考えを纏めたいことがあるんだ。すまないが清次郎兄イは、家の八の野郎を伴れて、一足先に行ってみてはくれまいか」
「ヘエ――」
「それから念のために言っておくが、女の身体を濡れ手拭でよく拭いた上、髪を解いて頭の地を見てくれ、頭の地に何も変ったことがなきゃア、あの女に用事はないが、万一あの頭に曰くのある女なら、逃がさないようにって、石原の兄哥へそう言ってくれ」