Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.455 Zeichen · 290 Bildschirme

Aozora Bunko

だけですが、その三人が、何か命がけの争いをしているらしゅうございます」

「…………」

「とにかく、お珊の隠れ家だけでも、すぐ突きとめて参りましょう」

「どこへ行くつもりだ」

「なアに、あれだけの十二支を女の肌に描くのは、絵にしたって心得がなくっちゃ出来ません。わっしの背中へ六文銭を描いてくれた、人形町の彫辰の顎を探ったら、大方女の住家の当りが付きましょう、御免」

平次はフラリと八丁堀の役宅を出ました。人形町までは、若い平次の足では本当に一と走りですが、彫辰へ行って聞いてみると、さて、思ったように簡単には埒があきません。

「そんな新造が来ましたよ。親分が六文銭を描かせて、お帰りになってすぐ後でしたが、何でも、お茶番をやるんだから、腰から上へ、七つだけ十二支を描いてくれ――とこういう註文じゃありませんか、断る筋のものでもありませんから、二た刻ばかりかかって念入りに描いてやりましたよ、――町所は知りません、あんまり綺麗な女だからって、若い者が後で騒ぎましたが、この辺で見たことのない女で探しようがありません。だがね、親分、絵を描いただけでさえ、あんなにいい心持なんだから、こちらから金を出しても、あの羽二重のような肌へ、存分な図柄で彫ってみたいと思いましたよ」