Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.455 Zeichen · 290 Bildschirme
「銭形の親分、あの女が殺されては、さしむき主人の世話を焼く者がありません。幸い、少しずつ正気付いて来るようですが、お町はどうした、なんて聞かれたら、返事のしようがないだろうと、心配していますよ」
支配人らしい行届いた心配です。
「番頭さん、この下手人はどうも家の中の者らしい。御主人があの様子だから、多分、相続争いに絡んだことじゃありませんか」
「ヘエ、――そんなことが」
禄兵衛も否定はしませんが、ひどく酸っぱい顔をしております。
「で、お町さんが殺されて、さしむきお困りなら、どうでしょう、私の手から一人女を入れたいんだが」
「と言うと?――」
「そう言っちゃ済まないが、番頭さんはお店が忙しくて奥へは目が届かないだろうし、私も毎日来ているわけにもいきません。幸い、本所の御用聞で、石原の利助親分の娘のお品さん、これは出戻りだが、縹緻も才智も人並みすぐれて、こんなことには打って付けの女です。お町さんの代りに、ただの奉公人という触込みで七日でも十日でも、ここへ置いてやっちゃ下さいますまいか」
平次の頼みは尤もでした。こんな大家に起った事件の解決を、外から、医者が脈を引くようにしていたんでは、いつになって解決するかわかりそうもなかったのです。