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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.455 Zeichen · 290 Bildschirme

Aozora Bunko

「番頭さん、大変なことになりましたね」

「どうしていいか、私には見当も付きませんが、とにかく、ここへは、親分が見えるまで、誰も入れないつもりで頑張っていましたよ」

「それは有難い、早速見せて貰いましょうか」

平次は部屋の中へ入って行きました。中風に当った半病人ですが、末期の苦しみはさすがに物凄く、物馴れた平次も思わず顔を反けます。死人の頸に巻いたのは、皮肉なことに、同じ部屋に居眠りしていたお村の赤い細紐で、蒲団の裾の方には、立派な縫つぶしの紙入が一つ落ちております。

拾い上げて見ると、中には小粒が少々と、鼻紙だけ。

「この紙入は誰のでしょう」

平次がそれを持って部屋から出ると、

「あッ」

一目、番頭の禄兵衛が飛上がりました。雇人達は顔を見合せるばかり、口を利く者もありません。

「番頭さんが二三日前に失くしなすった紙入というのは、それじゃございませんか」

とお品。

「え、そ、そうですよ。どうして一昨日なくなった私の紙入が、そんな所に落ちていたんでしょう」

禄兵衛は歯の根も合いません。

「番頭さん、中を改めて下さい。中味に変りはありませんか」

と平次。

「…………」