Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.455 Zeichen · 290 Bildschirme
禄兵衛は黙って紙入を取上げましたが、一通り中を検めて、
「紙一枚、小粒一つ無くなってはいません」
まじまじと頸を捻っております。
「番頭さん、心配には及びません。これはお前さんを罪に落そうとする術ですよ。幸いこの紙入が三日前になくなったことは、大勢の人が知っているようだし、それに――」
平次は部屋に入ると、主人の死体の頸に巻付いた赤い紐を解いて持って来ました。
「この紐で殺したようには見せかけているが、それも細工で、こんな細い紐で、人間一人殺せるわけはありません。――この通り」
平次は両手へ紐を絡んで引くと、小布を縫って拵えた赤い紐は何の苦もなく、灯心のようにフッと切れます。
「あッ」
驚き騒ぐ人々を尻目に、平次はもう一度主人の死体のところへ帰って行きました。
「御覧の通り、頸には、絞め殺した時の紐の跡が付いているが、それで見ると、刀の下げ緒か前掛の紐か、――とにかく、恐ろしく丈夫な一風編み方の変った真田紐だ」
「…………」
皆んなはもう一度顔を見合せました。
「番頭さん、済みませんが、この部屋の隣は納戸になっているようだが、戸の隙間から変なものが見えますよ、拾って来て下さい」