Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.455 Zeichen · 290 Bildschirme

Aozora Bunko

番頭の禄兵衛は黙って隣の納戸へ入りましたが、不気味そうに手へブラ下げて来たのは、焦茶色の丈夫な真田紐、いや丈夫な真田紐の付いた手代の使う前掛です。

「あッ、世之次郎さんのだ」

誰かがとうとう口を滑らせました。

「八」

平次が一つ目くばせすると、ガラッ八は飛鳥のごとく、世之次郎の背後へ廻りました。

「野郎ッ、騒ぐな」

手頸に絡むのは、蛇のような捕縄。

「あッ、俺は、俺は何にも知らない」

世之次郎は、あまりのことに、驚くことも忘れたように、口を開いて茫然と立ち尽しました。

「紙入や赤い紐の細工は器用だが、さすがに叔父を殺した自分の前掛を持って行くほど胆が太くなかったんだな、罰当りな奴だ」

妙な破目になった禄兵衛は、主人筋の世之次郎へ、掴みかかりそうな様子を見せます。あまりのことに腹を据え兼ねたのでしょう。

それから十日目、石井一家の騒ぎに関係した者は全部八丁堀の吟味与力、笹野新三郎の役宅に呼出されました。

本当の調べは、町奉行でやることにはなっておりますが、大岡越前守とか、遠山左衛門尉とかいう、後世までも聞えた名奉行はともかく、大抵のお白洲では、筋書通りそれを繰り返して口書拇印を取り、最後の言い渡しをするだけであったのです。