Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.455 Zeichen · 290 Bildschirme
梯子段を昇る時、何心なく隣の部屋を覗くと、三十二三の遊び人風の男を、十八九の可愛らしい娘が、一生懸命なだめているのが見えます。道楽者で、小博打を打つという持て余され者の六郎が兄の死んだ後、この家へ入り込んで来て、支配人の佐吉や、甥の金之丞がイヤな顔をする中に、わがまま一杯に振舞っていることは、平次はこの騒ぎの前に調べていたのです。
「あの娘さんは?」
「お里と申します。亡くなった叔母の妹で」
「なるほど、好い縹緻だ。お前さんと一緒になるとかいう」
「とんでもない。――そんな話もないじゃありませんでしたが、二人はどうも性が合いません」
金之丞は大急ぎで平次の口を封じました。
二階へ昇ると、支配人の佐吉が、駆け付けた分家や親類の人と応対して、何やら重大そうに囁いております。見たところ四十七八、立派な白鼠で、月代の光り工合も、分別らしさも、全く申分はありません。
「銭形の親分さん、――とんだ御苦労様で。なアに、物干の手摺がどうかしていたんでございましょう。金之丞さんが一人で騒ぎますが、――人を殺そうとするほどの太い料簡の者が、物干から人を投り出すはずはございません。