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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.455 Zeichen · 290 Bildschirme

Aozora Bunko

検屍の済まないうちは、死骸を動かすわけにもいきません。平次はそう言って、妙にしょんぼりしている八五郎を振返りました。

「ヘエ――」

ガラッ八は素直に立ち上がって、近所から菰を借りて来ると、お柳の死骸の上にそっと掛けてやりました。いや、その菰をかけるさえも痛々しい心持でしょう。野次馬を叱り飛ばした自分が、ツイ弔い心で、半分ほど隠したお柳の美しい死骸に目礼したのです。

「おや、――変なものを握っていますぜ」

「何?」

あわてて死骸の手を押えたのは、平次ではなくて、功名に急いでいた金太でした。

「こいつは狐格子に結える縁結びの紙じゃないか」

半紙を八つ切にして、半分ほど縒ったのを二本、頭の方で結び合せたのは、言うまでもなくその頃の女子供が遊び半分にやった縁結びで、男女の縁に関係のある社の格子には、御神籤と一緒に、この縁結びの紙片が、うんとブラ下がっていたのです。

「どれどれ」

顔を出した平次とガラッ八。

「女の方は――お留と書いてある、おや、これを見てくれ、銭形の」

金太の指先にほぐれて行った一方の紙片には、なんと、「八五郎」と書いてあるではありませんか。

「…………」